エリアごとに特性がある 立地・アクセス・場所で選ぶ「オフィス戦略」
公開日 2022.03.06 更新日 2022.03.07
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事業を始める場合、どのエリアにオフィスを構えるかは大きな問題です。それぞれのエリアには業種特性があり、家賃水準や交通の利便性も異なります。本記事では東京23区各エリアの業種特性や、交通アクセスの利便性に着目し、立地・アクセス・場所で選ぶ「オフィス戦略」について考えます。
<目次>
■エリアごとに業種特性がある
オフィスの場所を選ぶときに注目すべき点は、エリアによって業種特性があることです。属する業界が集積するエリアにオフィスを構えることで、認知度がより高くなるといったことが期待できます。東京23区におけるエリアごとの業種特性を確認しておきましょう。
・都心・副都心エリア(港区・中央区・千代田区・新宿区・渋谷区・文京区・豊島区)
東京都企業立地相談センターの調べによると、東京都にある事業所のうち約31%がこのエリアに集中しています。なかでも港区・中央区・千代田区がトップ3を占めており、この3区がビジネスの中心地であることは衆目の一致するところです。
業種別では情報通信、サービス業、学術・研究、金融、医療関連、そして外資系企業などが目立ちます。製造業では印刷関連、ソフトウェア開発、インターネット関連企業が集積するエリアです。
・城東エリア(足立区・荒川区・葛飾区・台東区・墨田区・江戸川区・江東区)
下町といわれるエリアで、東京スカイツリーや浅草など人気の観光地が豊富にあります。このエリアは製造業が多く、とくに盛んなのが皮革製品、ゴム製品、繊維工業、紙加工品、木製品などです。東京都立産業技術研究センターなど中小企業への支援施設も充実しています。
・城西エリア(世田谷区・杉並区・中野区・練馬区)
都心・副都心へのアクセスが良いことから、東京有数の住宅街が多いエリアです。産業では練馬区・杉並区を中心にアニメーションスタジオが集積しています。東京コンテンツインキュベーションセンターというコンテンツ産業に特化した創業支援施設があるなど、自治体も産業を支援しています。
・城南エリア(目黒区・品川区・大田区)
東京港や羽田空港があり、物流機能を最大限活用できるため、製造業の事業所が城東エリアに次いで2番目に多いエリアです。とくに多いのが金属製品、生産用機械、輸送用機械などです。品川区は京浜工業地帯発祥の地で、小規模事業者が多く集まっています。
・城北エリア(板橋区・北区)
荒川を隔てて埼玉県と隣接するエリアで、板橋区に環状線や首都高速など東京の大動脈となる道路が通っていることから、23区では貴重な工業地帯を有しています。板橋区は印刷関連業、精密機械業(光学機械器具、レンズ製造など)が、北区には衣服、紙化工、印刷関連業の企業が集積しています。
(参照元:東京都企業立地相談センター「地域の特色」)
■立地や場所で選ぶ
オフィスを立地や場所で選ぶ場合、どのようなポイントに注意したらよいのでしょうか。大事なのは有名な地名ということだけにとらわれず、超有名立地から少し離れたニッチな場所からコストパフォーマンスの良い物件を見つけ出すことです。
・有名な地名は家賃が高い
丸の内や大手町、霞が関、赤坂、六本木など超有名な地名を本社所在地として名刺に記載すれば会社の格が上がるかもしれません。しかし、これらの立地にあるオフィスは地名のブランド力だけで家賃を高く設定する例が多く、起業等で小規模な事業所を探す場合には向いていません。
・ニッチな場所にこそ穴場がある
家賃コストを重視する場合は、東京23区の同じ区でもニッチな場所を選ぶのがコストパフォーマンスを上げるコツになります。たとえば千代田区であれば、平河町や紀尾井町などは都心エリアにありながら、そこまで有名な地名ではありません。しかし、立地を見ると、麹町、半蔵門、永田町に囲まれており、地下鉄の半蔵門駅、麴町駅、永田町駅の3駅利用可という高い利便性を誇ります。丸の内や大手町に比べれば家賃水準も低く、穴場的な好立地といえるエリアです。
■アクセスで選ぶ
オフィスを構える場所をアクセスで選ぶのも有効な方法です。とくに営業で回って顧客を開拓するスタイルの事業であれば、交通アクセスに優れた立地であることがオフィス選びの重要な選択肢になります。3つの交通手段からみた、おすすめのエリアは次のとおりです。
・電車移動に便利な複数駅利用エリア
東京都心を電車で移動するなら、複数駅を利用できるエリアが便利です。オフィスを例にとると、「H¹O神田」は東京メトロ銀座線「神田駅」から徒歩2分、JR「神田駅」から徒歩4分、都営新宿線「岩本町駅」から徒歩4分と3路線の駅が至近距離で利用可能な立地にあります。電車での営業には最適な立地といってよいでしょう。
・新幹線を利用するなら東京より神田
事業内容によっては新幹線で営業先へ向かう場合があるかもしれません。新幹線停車駅としては東京や品川が思い浮かびますが、家賃が高くなるので東京から1駅隣の神田が狙い目となります。前述した「H¹O神田」なら、新幹線だけでなく在来線の利用にも便利です。
・飛行機利用なら成田エクスプレス停車駅が便利
輸出入などの貿易を手掛ける事業では、飛行機で海外へ出張する機会が多くなるでしょう。成田エクスプレス停車駅に近いエリアにオフィスを構えれば成田空港への移動に便利です。東京23区内の成田エクスプレス停車駅は、池袋・新宿・渋谷・品川・東京の5駅です。これらの駅は通常の電車移動にも便利なので、オフィスを構えるには魅力的な立地といえます。
■コストパフォーマンスの良い物件を見つける
自社の事業に合わせて立地・アクセス・場所で選ぶ「オフィス戦略」は、様々な要素を検討し、コストパフォーマンスの良い物件を見つけられるかが成功のカギとなりそうです。
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