働き方が多様化している今、自社にとって最適なオフィスへの移転を考えている方も多いでしょう。オフィス移転は、企業にとっても従業員にとってもメリットをもたらすものですが、移転によって思わぬ退職が続出してしまうリスクもあります。

そこで本記事では、オフィス移転で従業員が退職を考えてしまう原因や、退職を防ぐための対応策をご紹介します。オフィス移転によって従業員にどのような影響が出るかを把握し、退職者の発生を未然に防げるオフィス移転を実現させましょう。


<目次>

■ オフィス移転は従業員へ大きな影響がある

「オフィスが手狭になった」「今の働き方にオフィスがフィットしていない」などの理由によって、オフィス移転を考える企業は多いでしょう。オフィス移転を行うと、企業のブランディングイメージ・従業員のモチベーション・生産性の向上や、従業員のコミュニケーション活性化などのメリットが得られると考えられます。

このように、企業にとっても従業員にとってもよい影響があるはずのオフィス移転ですが、マイナスの影響が出てしまう可能性もゼロではありません。なかには良い影響を期待してオフィス移転をしたのに、かえって従業員のモチベーションが下がってしまい、多くの人材が流出してしまったというようなケースもあるでしょう。オフィス移転を成功させるためには、移転によって従業員にどのような影響が出るかを考慮することが大切といえます。

■ 移転後に従業員が退職を考えてしまう原因

オフィス移転後に従業員が退職を考えてしまう、よくある5つの原因をご紹介します。

● 1.自宅からの距離が遠い

オフィス移転によって自宅から企業までの距離が遠くなってしまうと、退職を検討する従業員が出てくる可能性があります。

従業員のなかに自宅からのアクセスや通勤時間を考えて企業を選んだ人や通勤しやすい場所に引越しをした人がいる場合、自宅から企業までの距離が遠くなると「もっと近い企業に転職しよう」と退職を考える人が出てくるのは自然なことといえます。子育て中の従業員の場合は、オフィス移転によって保育園への送迎が難しくなり、退職せざるを得ないというケースも考えられます。

● 2.最寄り駅から企業までの距離が遠い

電車通勤をする従業員にとっては、最寄り駅から企業までの距離も重要な問題となるはずです。オフィス移転によって距離が遠くなり、これまでよりも通勤に時間がかかってしまうと、退職を考える人が出てきてしまう可能性があります。

また「これまでは最寄りの駅から徒歩で出社できたのに、移転後は駅からバスに乗らなければならない」など、不便な状況になってしまうことでも、退職を考える人が増えてしまうでしょう。

● 3.ランチする場所が少ない

毎日のランチを仕事のモチベーションの一つとして働いている従業員もいるでしょう。現在のオフィス周りにはランチをする場所が多くあったのに、移転後のオフィス周辺にランチする場所が少ないと、退職を考える一因となってしまいかねません。

日々の食事は従業員の健康を左右する問題といえます。自炊をしない従業員にとっては、ランチする場所が少なければお惣菜やできあいのお弁当などで食事を済ませなければならない日が増えるため、健康面に不安を感じてしまう人もいるでしょう。

● 4.コンビニやスーパーなどの便利なお店が少ない

コンビニやスーパーなどの便利なお店が少ないことでも、従業員のモチベーションを低下させ、退職につながってしまう可能性があります。

従業員のなかには、通勤時にコーヒーやお菓子などを買いたい人も多いはずです。子育て中や介護中などで公私ともに忙しい生活をしている従業員なら、休憩中や退勤時に近くのコンビニやスーパーで買い物をして、時間をやりくりしている人もいるでしょう。そのような場合、オフィス移転によって今まであった便利なお店が利用できなくなってしまうと、ストレスに感じてしまう人も出てくると考えられます。

● 5.周辺環境が良くない

環境の良し悪しは、従業員が安心して働けるかどうかを左右する指標の一つです。周辺環境に不安を感じてしまうような立地へのオフィス移転も、退職を考える原因になる可能性があるでしょう。

「企業から駅までの道のりに街灯が少ない」「夜間の人通りがない」「いかがわしい店のあるエリアを通らなくてはならない」といった場所にオフィスがあると、安全面に不安を感じ、退職を考えるきっかけになってしまうと懸念されます。

■ 移転後に従業員の退職を防ぐためには

次に、オフィス移転後に従業員の退職を防ぐための施策を4つご紹介します。

● 1.事前に従業員へヒアリングを行う

移転による退職者を出さないためには、事前に従業員へのヒアリングを行いましょう。ヒアリングで、従業員が今のオフィスのどのようなところにメリットを感じているか、移転でどのような問題が生じるかを把握しておけば、対応策を検討できるはずです。

全ての従業員の意見を聞くことは難しいですが、大多数に一致している意見や優秀な人材の意見には、耳を傾けておきましょう。

● 2.従業員の通勤時間が短くなる場所選び

従業員の通勤時間が短くなる立地を選んで、オフィスを構えるのも一つの方法です。通勤時間がこれまでより短くなることには、不満を感じたり、これまで通りの働き方が難しくなったりしてしまう可能性はないといえるでしょう。

この場合も、全ての従業員の通勤時間を短くすることは難しいですが、できるだけ多くの従業員の通勤時間が短くなる場所を選べば、通勤時間の増加による不満をある程度抑えられるはずです。企業へのメリットとして、交通費削減効果も期待できます。

● 3.テレワークの許可をする

従業員の意見を尊重することも大切ですが、全ての従業員の意見を聞くことは難しいでしょう。そこで、通勤時間が長くなってしまう人に対応するため、テレワークを許可するなど、柔軟な働き方の選択肢を作ることも大切といえます。

週5のテレワークが難しい場合は「週3日までテレワークを許可する」など、対応できる範囲で検討してみましょう。また、フレックスタイム制度の導入を検討するのも一つの方法です。

● 4.オフィスや立地に価値を付ける

オフィスや立地にこれまでにない価値を付けることで、オフィス移転で従業員が感じるストレスを軽減できる可能性もあります。

例えばオフィスに価値を付ける場合は、これまでよりも開放感のあるオフィスへの移転や、洗練されたデザインのオフィス設計、リフレッシュルームの設置などが考えられます。また近くにランチする場所がない場合は、社食デリバリーサービスの導入などを検討するのも一つの方法です。

立地の場合、仕事の後に買い物ができるような利便性の高い都心部への移転なら、価値をプラスできるでしょう。都心のオフィス街に移転すれば、求職者に対しても魅力的なアピール材料となると考えられます。

■ オフィス移転のメリット

オフィス移転を検討しているものの、人材の流出を懸念して決断できない方は、オフィス移転のメリットにも目を向けてみましょう。オフィス移転による代表的なメリットを3つご紹介します。

● 1.採用活動の際の強みになる

充実したオフィス環境や利便性の高い立地は、今いる従業員だけでなく、これから採用する人材にとっても魅力的に映ると考えられます。多くの企業にとって人材不足は重要な課題といえます。働きやすいオフィス、通勤がしやすい立地にオフィスを構えれば、それが企業の強みになり、就職・転職を希望する人も増えるでしょう。

● 2.従業員同士のコミュニケーションが増える

社内にリフレッシュスペースやマグネットスペース(※1)が設置できる広いオフィスや、フリーアドレスが実現できるオフィスに移転すれば、業務中の従業員同士のコミュニケーションの活性化が期待できます。これまでなかなか接する機会がなかった従業員が交流することで、立場や部署を越えたコミュニケーションが取れるようになり、新たなアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。

また、ランチする場所が多い立地や、周辺に居酒屋がある立地の場合、飲み会などで社外にて従業員がコミュニケーションを取る機会が増える可能性があります。社内とは違った環境での交流が生まれれば、より円滑な人間関係が築けるようになるでしょう。

(※1):コピー機の周りや給湯室など、休息や用事などで「人が自然と集まってくる空間」のこと

● 3.従業員のモチベーションが向上する

オフィス移転は、従業員のモチベーション向上にも一役買ってくれる場合があります。これまでよりも広々としたオフィスや、働きやすさを重視したレイアウトのオフィスに移転すれば、従業員のやる気がアップするはずです。リフレッシュルームを設置すれば、業務中であってもメリハリをつけやすく、生産性向上も期待できるでしょう。また、スタイリッシュかつ企業イメージを連想させるデザインの内装にすれば、所属企業への帰属意識や愛着を高める効果が期待できます。

オフィスの内部だけでなく、周辺環境もモチベーション向上に大きな影響をもたらす要素といえます。通勤がしやすい、大手企業もひしめくビジネス街にある、レストランなどのお店が充実しているなどの魅力を持った立地にオフィスがあれば、従業員の満足度もアップするでしょう。

■ まとめ

本記事では、オフィス移転で従業員が退職を考えてしまう原因や退職を防ぐための方法、オフィス移転のメリットをご紹介しました。オフィス移転にはさまざまなメリットがありますが、従業員にとってマイナスの影響が大きくなってしまうと、退職者が続出する恐れもあります。ご紹介した退職を防ぐ方法を参考にして、企業にとっても従業員にとってもメリットの多いオフィス移転を目指してみてはいかがでしょうか。

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