スタートアップ企業がオフィスを構える場合、レンタルオフィスなどを選ぶと一般的な賃貸物件を借りる場合と比べてコストを抑えられる他、さまざまなメリットが考えられます。とはいえ、オフィス選びを失敗しないためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。

本記事では、スタートアップ企業がレンタルオフィスを借りるメリットや、選ぶ際にチェックしたいポイントをご紹介します。


<目次>

■スタートアップに選ばれやすいオフィスの種類

スタートアップ企業に選ばれやすいオフィスには、主にサービスオフィス・シェアオフィス・コワーキングオフィス・レンタルオフィス・バーチャルオフィスの5種類が挙げられます。それぞれの形態と特徴をご紹介します。

種類①サービスオフィス

1つ目に紹介するのは「サービスオフィス」です。
賃貸ビルの1室をオフィスとして借りる形態の事を指します。
オフィスの内装や設備がビジネス仕様になっていることが多く、会議室・ラウンジなどの共有スペースやビジネスを円滑に行うためのさまざまなサービスが提供されることが特徴です。
また、オフィスによっては郵便物の受取や電話対応・清掃なども依頼可能なケースもあります。

種類②シェアオフィス

2つ目は「シェアオフィス」です。
オフィス仕様になった空間を複数の企業や個人で共有する形態です。
従業員の人数や作業規模に応じてスペースを借りられるのでコストを抑えられやすい特徴があります。
また、他の企業との距離感が近いため、雑談からアイデアや新しい企画につながる可能性があるという事も特徴の一つです。

種類③コワーキングオフィス

3つ目は「コワーキングスペース」です
オープンスペースを複数人で共有して使用する形態です。
共有部が多く専用スペースを多く必要としない場合の個人や小規模の企業に適しているという特徴があります。
シェアオフィスよりコミュニティ色が強く、ユーザー同士の距離が近い傾向にあります。

種類④レンタルオフィス

4つ目は「レンタルオフィス」です。
ビジネスに必要な環境が整った専用個室をレンタルという形態です。
サービスオフィスよりも機能がシンプルなことが多いことが特徴で、快適性やデザイン性はサービスオフィスより劣る傾向にあります。

種類⑤バーチャルオフィス

5つ目は「バーチャルオフィス」です。
仮想空間に構築された環境をオフィスとして利用する形態です。
作業スペースが必要なく登記用の住所が欲しい場合に活用可能であることが特徴です。

■なぜスタートアップにレンタルオフィスなどがおすすめなのか

オフィスの種類はいろいろありますが、スタートアップ企業には、なぜレンタルオフィスなどがおすすめなのでしょう。具体的な理由を紹介します。

●すぐに事業を始められる

オフィスを賃貸で借りる場合は、基本的に事業規模に合った物件探しや契約手続きなどが必要です。いくつものオフィスを内見したり契約のために審査・手続きをしたりと手間や負担が掛かるでしょう。また、空き予定の物件は契約してからオフィスを利用できるまでにある程度の期間が必要な他、引っ越しの手配なども必要となるケースが多いです。

その点レンタルオフィスなどは探しやすく、契約してから利用開始までに長い期間待つ必要がなく、スムーズに事業を始められることが魅力といえます。

●初期費用・ランニングコストを抑えられる

一般的な賃貸オフィスの場合は長期契約を行うのが一般的です。敷金礼金や保証金を合わせると、初期費用として賃料の半年〜1年分が必要といわれています。

レンタルオフィスなどは敷金・礼金は不要で初期費用を大幅に抑えることが可能な場合が多いです。水道光熱費やインターネット料金なども共益費に含まれているケースが多く、賃貸オフィスを借りる場合と比べてランニングコストも抑えられるはずです。

また、机や椅子、インターネット設備などを含めてビジネスに必要な設備が整っているレンタルオフィスもあり、その場合全てを一からそろえる必要がないのも魅力の一つといえます。オフィスに掛かる毎月の固定費の負担が減ることは、利益率を上げることにもつながるでしょう。

●便利な立地

レンタルオフィスなどは東京や大阪といった、大都市経済圏に集中している傾向があります。取引先訪問や顧客訪問にも便利な立地であるケースが多く、その場合は移動時間を短縮できるメリットが得られます。立地条件がよい場所にもかかわらず、賃料を安く抑えられることは大きな魅力といえるでしょう。

また、従業員にとっても通いやすく、働きやすい環境を整えることにもつながる可能性があります。アクセスしやすい場所なら、交通費の削減も期待できるでしょう。オフィスが集中する都市部に会社の住所があることで、新規顧客や金融機関からの印象もよくなることから、便利な場所にオフィスを構えることは重要なポイントといえます。

●柔軟な働き方に応じた利用形態

レンタルオフィスなどは、企業のフェーズに対応したスペースを借りられることがメリットといえます。起業したばかりで従業員の人数が少ない場合は、広いスペースはあまり必要としないでしょう。しかし事業が軌道に乗ってきて人数が増加すると、当初の広さでは手狭になることが考えられます。

賃貸オフィスの場合は、賃貸契約途中で解約すると違約金が発生することがあるため、事業規模が拡大し従業員の数が増えても、引っ越すことは容易ではないです。物件探しの手間や引っ越しのコストも大きな負担となるでしょう。

レンタルオフィスなどの場合は、賃貸オフィスと契約の内容自体が異なるため、解約や延長を行いやすい傾向にあります。また例えば同じ建物内で広い個室が空いていれば契約を結び直してそちらへ移動したり、追加で新たなスペースを借りたりといった方法で、比較的容易に新たなスペースを確保できるはずです。

●法人登記が可能

レンタルオフィスなどの中には法人登記に対応しているところもあり、その場合は会社を立ち上げる際にオフィスの住所を用いて法人登記ができます。法人登記をしているか否かは、会社の信用度にも関わる重要なポイントといえます。

前述したようにレンタルオフィスなどは都市部に設けられていることが多いため、立地のよい住所地で法人登記ができると、会社の信用度アップにもつながりやすくなるでしょう。

●さまざまなサービスを受けられる

レンタルオフィスなどの中には、オプションとしてさまざまなサービスに対応しているのもあります。例えば郵便物や宅配便の受取、転送などの対応もその一つです。

また、複数の企業の人がスペースを共有するため、運営会社が定期的に清掃してくれるケースも多いです。自分で清掃する手間を省きながら、いつでも清潔な環境で仕事ができることもメリットといえるでしょう。

オフィスによっては、電話が掛かってきたときに一次対応をしてくれるサービスがあったり、プリンターやFAXなどのオフィス機器が備わっていたりするところもあります。

■スタートアップ企業のレンタルオフィスの選び方

スタートアップ企業がレンタルオフィスなどを利用する際、どのようなポイントを重視するとよいのでしょう。ここからは、オフィスの選び方をご紹介します。

●立地・アクセスのよさ

賃料が格安でも交通アクセスが悪いと、従業員や取引先にとって利便性が低くなる可能性があります。レンタルオフィスなどを選ぶ際には、交通アクセスのよい立地を選ぶと従業員の勤務時間短縮になり、負担を少なくできるでしょう。

複数路線が乗り入れている駅から近い場所にあるなど、公共交通機関の利便性が高いオフィスがおすすめです。加えて、顧客や取引先へのアクセスがしやすい場所にあるかも考慮するとよいでしょう。

●個室の間仕切りや空調の仕様

レンタルオフィスなどには、多くの場合1名用から大人数に対応するさまざまな広さのワークスペースが用意されています。段階的に従業員の人数が増える場合を想定して、個室のレンタル料金はどれくらいなのかを調べておくとよいでしょう。

周囲の音が聞こえてくる場合は、業務に集中できないだけでなく、周囲にこちらの音も聞こえている可能性が高いです。セキュリティ面からも安心して業務に取り組むために、壁の防音性もチェックしておくのがおすすめです。

また、一般的なレンタルオフィスなどの空調は、セントラル空調と個別空調の2種類に分けられます。セントラル空調の場合は建物全体の空調を一箇所で制御しています。一方個別空調は各部屋で温度設定やオン・オフの切り替えができます。どちらの空調システムを採用しているのかもチェックしておくとよいでしょう。

●セキュリティ対策・システムなどの設備

不特定多数の人が出入りするレンタルオフィスなどは、セキュリティ対策やシステムの設備も重要なチェックポイントの一つといえます。「物理的なセキュリティ」と「ネットワークのセキュリティ」の2つをチェックしましょう。

「物理的なセキュリティ」とは、防犯カメラを設置しているか、警備員を配置しているかなどの点です。人の出入りの多さや、不法侵入対策・盗難対策がどのように行われているかをチェックしましょう。

「ネットワークのセキュリティ」とは、SSIDと暗号化キーが設定されているかなどの点です。レンタルオフィスなどは共有のWi-Fiを利用できるところも多く、その場合は不正アクセスなどの心配があります。業務上のセキュリティを高めるには、ネットワークに専用のSSIDと暗号化キーが付与されているオフィスがおすすめです。

●有人受付などのサービスの有無

来客や電話対応が多い場合は、常駐の受付スタッフを置いていたり電話受付を代行してくれたりするレンタルオフィスなどを選ぶと、業務の負担を減らせるでしょう。受付や電話代行サービスを利用できれば、専任のスタッフを採用する必要がないため、人件費を抑えられる可能性もあります。

なお、受付や電話代行は対応のよさも重要なチェックポイントといえます。対応がよければ企業のイメージアップが期待できますが、対応が悪いとイメージダウンになる恐れがあります。

●働きやすいレイアウトかどうか

従業員が増えた場合に同じ建物内で別の個室を借りられれば、住所を変更せずに業務を継続できることがレンタルオフィスなどのメリットといえます。

将来的に個室の移動が予測される場合や企業の雰囲気に合わせてレイアウトを変更したい場合は、レイアウトを変更できるオフィスを選ぶのが望ましいでしょう。

●共有スペースの有無

レンタルオフィスなどの中には、疲れたときに休憩したり、来客があったときに打ち合わせができたりする共有スペースを備えているところもあります。共有スペースにフリードリンクサービスがあると、使い勝手がよいでしょう。

来客が多い企業の場合は、借りたいオフィスに会議室が用意されているか確認しておくのがおすすめです。会議室がある場合は稼働状況も合わせて確認しておくとよいでしょう。レンタルオフィスなどの会議室は予約制であることが一般的です。会議室があっても一室だけしかない場合や、複数あっても利用率が高い場合は、使いたいときに予約で埋まっていて思うように使えないケースも考えられます。

●賃料以外の料金・諸経費が掛かるか

レンタルオフィスなどを借りる際には、料金体系や含まれるサービスをよく確認しましょう。中には、個室の利用料は基本料金に含まれていても、コピー機や会議室を使う場合は別途オプション料金が掛かるシステムになっているところもあります。その場合、結果的に費用が予定よりも高額になる可能性があります。

契約を締結する前に、賃料に含まれるサービスと別途料金が掛かるサービスについて、よく確認しておきましょう。

■スタートアップ企業がレンタルオフィスを選ぶときの注意点・ポイント

スタートアップ企業がレンタルオフィスなどを選ぶときに失敗しないために、押さえておきたい注意点とポイントについても理解しておくとよいでしょう。

●内見で実際に確認する

多くのレンタルオフィスなどは立地や設備、サービス内容をホームページなどで公開していますが、ホームページで見ているのと実際に見た場合では印象が異なる場合があります。そのため、契約を締結する前に実際に現地に足を運び、内見することがおすすめです。

内見の際には、以下のポイントをチェックしましょう。

1. 企業のイメージに外観の雰囲気が合っているか
2. エントランスは適度に広く明るいか
3. 入居しているテナントに同業他社や取引先がないか
4. エレベーターの数が少なすぎないか
5. 全館禁煙か・喫煙所が設けられているか
6. ビルもしくは近辺の駐車場の空き具合
7. セントラル空調か個別空調か
8. 天井は高いか
9. 柱や梁の位置を図面と照らし合わせて確認
10. トイレは温水便座付きか、洗面台の数や鏡の有無
11. 共用部はどのように管理されているのか
12. 周辺に銀行や郵便局、ランチに使えそうなお店はあるか
13. フリースペースやラウンジがあるか、フリードリンクがあるか
14. 個室の数や広さ、拡張性があるかどうか
など

実際に行う業務を想定し、ストレスなく働ける環境かをイメージするとよいでしょう。

●費用だけで選ばない

レンタルオフィスなどは費用の安さだけ選ぶと失敗する可能性があります。
賃料が安いオフィスは広さや設備が最低限にとどまることが多く、将来ビジネスが拡大して従業員が増えた場合に、手狭だと感じる可能性があります。レンタルオフィスなどの契約は一般的な賃貸契約より短期間での解約が可能な場合が多いものの、保証金の負担などの問題が考えられます。そのため最初に契約するときから、しっかりと将来を見据えて選ぶのがおすすめです。

賃料だけにとらわれず、働きやすさや快適さなど、複合的な視点で自社にとってふさわしい場所を探しましょう。

■野村不動産がスタートアップ企業におすすめするハイグレードなレンタルオフィス

スタートアップ企業でオフィスを検討しているなら、野村不動産が運営する「H¹O(エイチワンオー)」がおすすめです。H¹Oは、入居する方が高いモチベーションで働ける環境をご提供しており、いくつもの魅力的な特長があります。

まず、きめ細やかで行き届いたサービスを提供する有人受付があり、個室は高い遮音性を備えています。10名以上に対応できる個室も多いため、ある程度の事業拡大を視野に入れてビジネスを始められるでしょう。全室に個別空調を導入し、IoT技術を用いた空調や照明の遠隔操作が可能な他、センサリングによって共用部分の混雑の「見える化」を実現しています。

また、受付や 共有ラウンジ、会議室などの共用スペースに加え、複合機、シュレッダー、コーヒーサーバー、ウォーターサーバーなどの設備も充実しているため、ストレスなく業務に集中できる環境といえます。東京・大阪の中心部に展開していることから利便性が高く、会社のイメージアップも期待できるでしょう。

■まとめ

スタートアップ企業は事業拡大や従業員数の増加に伴って当初のオフィスが手狭になる場合があるため、オフィスの拡張・移動がしやすいレンタルオフィスなどの利用が向いているといえます。一般的な賃貸物件と比べて費用を抑えられるだけではなく、さまざまなメリットが得られるでしょう。

オフィスを選ぶ際には、立地や賃料に含まれるサービス内容、セキュリティの高さなど、さまざまな観点から検討することをおすすめします。野村不動産の「H¹O」は、受付や郵便受け取り対応、ルームクリーニングなどのサービスが受けられ、高セキュリティも完備されています。レンタルオフィスを探している方は、ぜひご検討ください。

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