近年、ニュースやビジネス雑誌などで使われることが増えた「スタートアップ」という言葉。創業したての若い会社を指す「ベンチャー」と同様の意味として認識している方も多いと思いますが、このふたつの言葉には本来異なる意味合いがあるのです。そこで今回は、今注目の「スタートアップ」について、ベンチャーとの違いに触れながらご紹介していきます。


<目次>

スタートアップとは

「スタートアップ」というのは、まだ世の中にはないアイデアを新しいビジネスにすることで市場を開拓する企業のことで、その名称は「始動」や「開始」などを意味する英語の「startup」に由来しています。もともとはIT企業が多く集まるアメリカのシリコンバレーで用いられていた言葉で、創業から3年未満の企業、または短期間で急成長を遂げる可能性を秘めた小規模な事業体のことを指すのが一般的です。

スタートアップから大成功を収めた企業としては、世界最大の利用者を誇るSNSの代表格「Facebook」や、民泊仲介大手オンラインサイトの「Airbnb」などが挙げられます。

スタートアップとベンチャーの違い

スタートアップ企業と混同されがちなものに「ベンチャー企業」があります。実際にはどちらにも明確な定義がなく、設立して間もない若い企業という点では共通しているため、両者が同義で使われることもありますが、スタートアップ企業とベンチャー企業には以下のような点で大きく異なるのも事実です。

発祥

スタートアップは、GoogleやAppleといった大手IT企業が本社を置くアメリカのシリコンバレーが発祥とされていて、「Startup」や「Startup Company」などの名称が世界中で認知されています。

一方、ベンチャー企業というのはもともとの発祥が日本で、その名称も「ベンチャービジネス」から派生して作られた和製英語であるという違いがあります。なお、海外では「ベンチャー」という言葉は投資組織の「ベンチャーキャピタル」を意味するのが一般的です。

スピード感

ベンチャー企業は中長期的にゴールを設定して事業を行うのが一般的な傾向ですが、これに対してスタートアップ企業はスピード感を重視し、短期間での上場やM&Aを目指すという点も大きな違いのひとつでしょう。

目的

スタートアップ企業とベンチャー企業の最も大きな違いのひとつが、事業を行う上での目的です。スタートアップ企業は、短期間で急成長させることで企業の価値を高め、株を売却して利益を確定させることを目的としています。

わかりやすくいえば、最初から企業売却を目的としてビジネスを始めるケースが多いということです。一方のベンチャー企業は、スタートアップ同様に途中で企業を売却することもありますが、長いスパンで経営を続けていく傾向が多いという違いがあります。

スタートアップの成功のポイント

働き方が多様化している現代では起業を検討している方も増えていますが、やはり気になるのはどうしたらビジネスを成功させることができるのかということではないでしょうか。ここでは、スタートアップを成功させるためのポイントを詳しくご紹介していきます。

資金調達

スタートアップを成功させる上で最も大切なのが、資金調達です。一般的な選択肢としては、金融機関からの融資や補助金・助成金などを利用することになりますが、スタートアップ企業は革新的なアイデアでビジネスを展開するという強みから、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資してもらえる可能性もあります。いずれの場合も、必要額や目的は段階によって異なるため、創業期、成長期、安定期とそれぞれわけて考えていくことが大切です。

革新的なアイデア

スタートアップ企業とベンチャー企業の決定的な違いのひとつに、革新的なビジネスモデルを展開しているかどうかという点が挙げられます。実際にスタートアップ企業を立ち上げる起業家の中には、世の中の潜在的なニーズを敏感に察知し、収益よりも社会貢献を軸にしている人も多く、スタートアップを成功させるためには、これまでにはない革新的なアイデアを生み出すことは不可欠なのです。

人材

スタートアップは、短期間で成果を出して初めて成功だといえます。そのためには、カリスマ性があり強いリーダーシップを発揮できる創業者や、高度な専門知識を持ったクリエーターやエンジニアなど、レベルの高い優秀な人材を集める必要があります。特に、近年人工知能(AI)やロボット工学の分野に関する高い知識を持った人や、事業展開をする上で外せないスマートフォン向けサービスの開発者などは、競合との差別化を図るためにもスタートアップ企業では欠かせない人材だといえるでしょう。

また、ベンチャーキャピタルなどから出資を受ける場合には、ベンチャーキャピタル側が主導権を持って人材の獲得を行うことも珍しくありません。起業時に人材を募集する場合には、起業者の理念に共感し、主体的に動くことができる即戦力となる人物かどうかに注目することも大切でしょう。

スピード感を重視するスタートアップ。独自の視点やアイデアで社会課題に対するソリューションを提供したいと考えている方は、思い切ってスタートアップに挑戦してみてはいかがでしょうか?

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