株式会社OKAN 代表取締役CEO 沢木恵太氏 「これからはワーク・ライフ・バリューだ!〜プチ社食「オフィスおかん」から始まる挑戦〜」


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社会に変革をもたらし得る少数精鋭企業を支援する、新時代のサービス付小規模オフィス「H¹O」の展開に先立ち、2019年7月、日本橋室町野村ビルで「サービスオフィスプロジェクト発表会」が2日間にわたり開催されました。

イベントのメインは、多彩なゲストを招いてのトークセッション。今回は18日に行われた第3回、4回の内容を紹介します。トークセッションのメインMCを担当したのは、新しい働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」発起人・オーガナイザーの横石崇氏です。

オランダ発祥の「AWB」という働き方が、日本のベンチマークになる

第3回のテーマは「世界のオフィストレンドは『人間中心へ』〜コクヨのチーフオフィスリサーチャーに訊く!」です。

ゲストは、山下正太郎氏。コクヨでオフィスデザイナーとしてキャリアをスタートした後、戦略的ワークスタイル実現のため、様々なコンサルティング業務に従事。現在はコクヨのクリエイティブセンター主幹研究員、世界のオフィスを紹介する雑誌「WORKSIGHT」の編集長として活躍、これまで30カ国50都市、1000以上のオフィスを訪問したそうです。

その山下氏によると、「世界のオフィスは、2つの課題を解決するために構築されている」とのこと。1つ目の課題は「イノベーション」。新しいものを生み出すための環境という意味合いです。2つ目は「フレキシビリティ」。人口減少や生産年齢人口縮小という状況を打開するため、子育て中の女性やシニア層がテレワークなどで働ける環境づくり。ちなみに日本のオフィス業界では、フレキシビリティを重視する傾向があるとのこと。

その「フレキシビリティ型」で日本のベンチマークになる国が、ABWという働き方を実施しているオランダとオーストラリア。「ABW(Activity Based Working)とは、個人の意思で働く時間と場所を自由に選択できる働き方のことで、会社主導ではなくワーカー側に主導権があるものです」と山下氏は説明します。働く人が今やるべき仕事に対して、いつ・どの場所でやるのが最も効率がいいかを自分で決めることができるスタイルです。

一方「イノベーション型」の本場はアメリカ。「現在のアメリカのスタートアップ企業では、在宅勤務を禁止してコアタイムを設定するなど、オフィスに長く滞在してもらう環境づくりを促進。あえて雑然としたオフィスにして、人間の行動がアクティブになるようなハッカブル(変化し続ける)式オフィスを構築しています」と山下氏。アメリカではすでに、コワーキングスペースはあまり効果がないとされているそうです。

人によって集中できる環境、アイデアが浮かぶ環境は違う

第4回目のトークセッションのテーマは、「『1分で話せ』 著者が大切にする働く場とは?〜Yahoo! アカデミア学長に訊く!〜」です。ゲストは、Yahoo! アカデミア学長の伊藤羊一氏。日本興行銀行入行後、プラス(株)、ジョインテックスカンパニー支社長などを経て、2015年よりヤフーに転じ、現職に就任しています。

Yahoo! アカデミアとは、ビジネス、エンジニア、デザイナーから、リーダーを育てる企業内大学。伊藤氏はまず「リーダーに必要な素質は“Lead the self”。人を巻き込む前に自分が熱狂する必要があり、そのため自分を知ることが大事」という、アカデミアのリーダー論を説明し、次に、Yahoo!のオフィスの特徴について話を進めていきます。

現在、Yahoo! のオフィスは全館フリーアドレスですが、人はフリーアドレスにしても、知らない人とは急に話をせず、自分の占有スペースがあるとそこで働く傾向があるため、「オフィスは狭くてもいいので、個人専用のスペースと共有ラウンジのようなスペースが必要。人によって集中できる環境、アイデアが浮かぶ環境は違うので、それを知った上で、どの環境で働くか選択できることが必要だと感じています」と語ります。

たとえば、占有スペースがあった上でコワーキングスペースがある、という環境。また効率的なスペースを作るためには、ペーパーレスを浸透することも重要だと助言します。

さらにYahoo! では、オフィスで大切にしていることが2つあると言います。1つは上司と部下の“1 on 1 MTG”。同社では、直属マネジメントの部下(最大7人)と週1回、部下が主導権を取って話す機会を設けることが義務づけられています。もう1つは“Managing by walking around”。上司がフロアを歩き、いろんな人に声をかけることで、部下の状況把握をし、相談がしやすい環境をつくっているそうです。

「今後のオフィスは、心理的安全性を確保して、来たくなる職場をつくること、1対1のコミュニケーションをどれだけできるかが大事になります」と語る伊藤氏。日本人特有のオフィスのあり方と、そこで働く人々のコミュニケーションの大切さを示唆してくれました。

2日間、計4回にわたって開催されたトークセッションでは、多彩なゲストから最新のオフィス事情やこれからの働き方について、様々な刺激的な話を聞くことができました。

野村不動産のクオリティ・スモール・オフィス「H¹O」は、たとえば生産性を高める働き方として、固定席がありながら入居者専用の共有ラウンジを提供するなど、まさに山下氏が言及した「ABW」を実現しながら、新しい価値を生み出そうとしています。

トークセッション終了後の質疑応答では、参加者から熱心な質問が出るなど「サービスオフィスプロジェクト発表会」は好評のうちに幕を閉じました。

野村不動産では今後も様々な形で、個のポテンシャルを最大化する「H¹O」の魅力を伝えて行く予定です。

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